冒険エレキテ島 2

新作が描かれることを期待されながらもなかなか新作が描かれることのない漫画家というと、江口寿史や冨樫義博、大友克洋などがいるが、鶴田謙二もその中のひとりだ。
イラストレーターとしての活躍のほうが多くなっているという点では鶴田謙二は江口寿史と同じといえるが、それでも江口寿史は最初の頃はきっちりと漫画を描いてくれていたのに対して鶴田謙二は最初からきっちりと漫画を描いてはくれなかった。
いやそもそも鶴田謙二は漫画家なのだろうか。
イラストレーターが漫画も描いているのだと思えば、漫画を描いてくれないという理由もわかる気もする。とはいえども、続き物であり、なおかつ一巻だけは出しておきながら二巻は出る気配がまったくないというのはやはり困り物だ。
<エマノン>シリーズは何冊か出ているが、あれは梶尾真治の原作があるからともいえるわけだが、では原作があれば大丈夫なのかというと、アニメをコミカライズした『アベノ橋魔法☆商店街』は二巻は出る気配もない。
オリジナルである『Forget-me-not』はたぶん無理だ。Forget-me-notなんてタイトルからしていやみったらしいのだが、鶴田謙二だから許してしまう。
さて、5年ぶりにでた2巻なのだが案の定、1巻の内容を忘れきってしまっていた。とはいっても1巻はエレキテ島へ向かったところで終わったはずなので、忘れきっていてもそれほど支障はないのだが、2巻を読んでみて気がついたのはセリフが少ないということだ。近年の鶴田謙二の漫画はセリフがどんどんと少なくなっていく傾向があるが、まあ冒険といっても主人公一人だけの冒険行なので喋らせるとなると独り言をいわせるしかないのだが、そういったわけで絵としての堪能はできるが物語としての堪能はできにくい。
はたして3巻はでるのだろうか。

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