菜時記　如月/乙酉

統合失調症を発症していらい、人の大勢いる場所を恐れるようになった妻は、買い物に行くことも困難になった。
だから僕は妻の代わりに一週間分の食料品や日常品を買うために週末、一人で買い物に出かける。
配偶者が統合失調症というケースというのはあまり多くない。
そういう集まりに参加しても、僕と同じような境遇の人と出会うことというのはない。寂しさを紛らわすために参加しても余計に寂しさが増す。
菜時記　如月/乙酉
事前に店のチラシをチェックしてから出かけるのだが、今週はあまりめぼしいものがない。そういう時はいつもと違う店に行くという選択肢もあるけれども、逆に失敗してしまう場合もある。
ということで今回は無難にいつもの店に出かける。
キャベツは1/2カットで170円、いつもと同じ値段だ。地元野菜コーナーでは1個売りなのだが200円超えの値段である。かろうじて183円というものもあるのだが、異様に小さい。これだったならば1/2カットのほうを買ったほうがマシである。
白菜も高いが、ポップが立てられていて、カット野菜コーナーにある白菜は値段据え置きと書かれている。なるほど、カット野菜のほうが安いというのは逆転現象なのだが、しかし保存を考えると、あまり芳しくないのでカット野菜を買うことはしないでおく。1/4カットで159円。
長ネギは地元野菜コーナーの3本で172円がお得なのでこれを買う。
大根も高く、地元野菜コーナーでも200円近い値段なので、1/2カット170円のものを買う。
レジで精算して次の店へ。
次の店ではトマトが5個で213円。人参は小さいものが5本で106円。
先の店で人参は買わないという選択をして正解だった。
キャベツも白菜も先の店よりも値段が高かく、めぼしいものは買わなかったけれども選択がうまくいったので気分は良い。