とうとう完結してしまった。
予想しない場所というよりも予想したくなかった場所に着地してしまった。
もう一度1巻から読みなおしたい気持ちで一杯なのだが、読みなおすのはもう少し時間が経ってからにしよう。
主人公、川島の人物像をあのように設定した以上、この物語全体をどういう風に終わらせようとも、川島自身の物語としてはこういう終わり方をさせるしかなかっただろう。いや、これ以外の終わらせ方をさせたとしたら、物語としては幸せな終わらせ方かもしれないが納得できる終わらせ方になったのかといえばそんなことはない。
そういう点でいえば、最終巻では今まで語られることのなかった川島自身の最後の過去のエピソードが語られ、それによって彼が最後に自身で選んだ自分の人生に対する、いや、自分と関わったすべての人達に対する決着の付け方というのが、これ以外の道はないのだよという、切ない物語に結びついていく。
読み終えてこんなにも心が揺さぶられたのは久しぶりだ。
だから最後のページを読み終わり、そして再びページを戻って最初の話を見た時、そこに描かれている川島の屈託のない笑顔を見て、一時的だとしてもこういう表情をすることができたのは、川島にとって幸せな人生だったのかもしれないと思うことで自分自身も納得させるしかないのである。
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