菜時記 弥生/己亥

統合失調症を発症していらい、人の大勢いる場所を恐れるようになった妻は、買い物に行くことも困難になった。
だから僕は妻の代わりに一週間分の食料品や日常品を買うために週末、一人で買い物に出かける。
昔は時々、老後はこういうことをしたいということを妻は言っていたが、次第にそういうことを口にすることはなくなってきた。それは僕たちが老後に近づいてきたからだというわけではない。希望の持てる老後などないかもしれないと思うようになってきたからだ。
菜時記 弥生/己亥
長ネギが2本で240円を越えていて驚く。そんなにも値上がりしたのかとがっかりするのだが、よく見てみるといつものものよりも太い。ひょっとしたらいつものよりも美味しい品種かそれとも高級な品種なのかもしれないけれども、僕が欲しいのはいつもの品種であって、これではない。
まるで池に落とした斧のようで、あなたが欲しいのは高級な長ネギですか、それとも美味しい長ネギですかと問われているようだ。
いえ、私が欲しいのはいつもの普通の長ネギです。と心のなかで返事をしても値段は変わらない。
地元野菜コーナーに行っても長ネギは売られておらず、そろそろ地元野菜のほうでは長ネギのシーズンが終わりのようだ。
ということでここは次の店に期待することにして、キャベツはいつもと同じく1/2カットで170円。ブロッコリーが170円。大根が1本162円とブロッコリーは少し安い。
ほうれん草がひと束138円と安かったので買うことにする。
レジで精算後に次の店へ。
次の店ではトマトが先週と同じく5個で213円。長ネギが3本で213円とお買い得だったのでかごに入れる。
今週も総じて良い買い物ができた。

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