統合失調症を発症していらい、人の大勢いる場所を恐れるようになった妻は、買い物に行くことも困難になった。
だから僕は妻の代わりに一週間分の食料品や日常品を買うために週末、一人で買い物に出かける。
今の状況から劇的に改善されるということなど望むべくもない。妄想は根強く残ったままであり、おそらくは消えることなどなく、歳をとればその妄想は強化されていくことだろう。
妄想を信じることは妻にとっては、自分と世界とをつなぎとめる唯一の手段でもあるのかもしれない。
だから僕は妻の妄想を受け入れるということをするしかないのだろう。
菜時記 卯月/丁卯
店頭では、長ネギが2本で170円と安い。とはいえども、次の店ではひょっとしたらもっと安いものが売られている可能性もなきにしもあらずなので、必ずしも安いというわけではないのだが、一本の太さが太い。しかしよくみるとわけありというシールが貼られている。どこがわけありなのか一見して見た限りではよくわからない。若干、鮮度が悪い気もするが、あくまで気がするという程度だし、店に入ってすぐにネギを手に取りあれこれ悩むのだが、わけありでこの値段なのだから、ひょっとしたら結構良いネギなのかもしれない、というかそうに決まっているので、買うことにする。
キャベツは1/2カットで149円、悪くはない値段だったので、このまま買うことにする。ピーマンはいつもの4個で128円もあったのだが、その隣に8個入って179円というものがあったので、こちらを買うことにする。南瓜は1/4カットで89円と安いので買う。
地元野菜コーナーではほうれん草が一束108円、ブロッコリーがばらばらになった訳あり品が86円だったので買う。
レジで精算したあと、次の店へと向かう。
いつものトマトが213円。しかしこのトマト、安いだけあってかよく見ないと、程度の悪いものが混ざっている場合がある。そんなわけで、今回は程度の良いものを見つけるのに少し苦労する。
事前にチラシを見ておいたので、一袋106円の人参を買う。しかし、安いだけあってか一本の大きさが小さい。
苺が一パック322円だったので買うことにする。
そのまま店のなかを進んでいくと、キャベツが1/2カットで108円という値札が見えたのだがこれは見なかったことにする。
コメント