統合失調症を発症していらい、人の大勢いる場所を恐れるようになった妻は、買い物に行くことも困難になった。
だから僕は妻の代わりに一週間分の食料品や日常品を買うために週末、一人で買い物に出かける。
妻はときおりこんなことを言う。
「私のような人間と結婚してあなたはハズレを引いてしまったわね」
そんなことはないよ、と答えるのだが、この言葉が妻に届いているのかどうなのかはわからない。
ただ、届いていなくても、この言葉が僕の本心であることに変わりはない。
菜時記 皐月/甲午
今週は途中から連休に入るので一週間分の食料を無理して買う必要もないので多少は気が楽だ。
店頭でキャベツが1個132円だったので少し悩む。買うか買わまいかではなくどれにしようかだ。で、決めかねたのでとりあえず先に進む。
先に進むといつもの場所でキャベツが1/2カットで84円だったので、大きさも手頃だしということで、これにする。
久しぶりにエリンギを買うことにしてこれが105円。ピーマンも徳用袋があったが、普通のものは5個で105円だったのでこれを買う。長ネギは2本で170円。れんこんが202円。れんこんは意外と消費期限が短いので困る。
最初に行く店はショッピングモールなので、メインの店の他にフードコートや小さな店舗もあるのだが、年々減っていき、何もない空間が増えていく。
和菓子と洋菓子を売っていた店があって、この店で売っているクロワッサンたい焼きがここ数ヶ月、妻のお気に入りでたまに買っていったのだが、今日も久しぶりに買って帰ろうと思ったら、店が無くなっていた。
こんなことならば先週、買っておけばよかったと思ったのだが、僕ひとりが買ったところで店舗の撤退は既に決まっていたことだろうし、とはいっても店が減っていくとさびしいものである。
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