私の少年 4

引き裂かれるかのような別れ方をしてそして2年後。
という部分は前巻で描かれているのだが、主人公は同じ職場で働き続けることが困難になり仙台へと飛ばされてしまう。
一方で少年のほうは東京での生活が続いているはずだったが、主人公のいる仙台で出会うことになる。
とそこで前巻は終わっていた。
4巻では少年側の視点で描かれる。
何故仙台で出会うことになったのかは大した謎ではなく、修学旅行先が仙台だったというだけの話なのだが、その出会い方になんとなく妙に感心してしまった。
これまでは主人公の女性側の視点でしか描かれなかった少年の、今度は内面の部分、とまではいかないのだが、少年の側から描かれる様子は彼の感情をあからさまに描くようなことはなく、静かにそして淡々と彼の生活の風景が描かれていくだけでありながらもそれ故に少年の中で少しづつ大きな存在となっていく主人公の存在と感情の高まりを予兆させていく。
主人公視点の物語では恋愛という感情まで踏み込まなかったというか主人公自身も恋愛としての対象として意識するところまで行かなかったのだが、ここにきて少年側の立場からの物語に移ったことで恋愛へと結びついていくのだろう。

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