4巻で当初の目的である赤龍を倒し、食べられてしまった妹を蘇生させ、なおかつ龍を調理して食べてしまうという表面上の目的もしっかりと達成させめでたしめでたしとなったわけであるが、だからといって物語がそれで終わりになるのかといえばそんなことはない。
続く5巻ではダンジョンの外の世界へと目を向け、さらには蘇生した妹の不穏な行動、謎の魔術師といったシリアスな展開と、大きく方向転換をしはじめて、そんなに急展開をして大丈夫なのかと不安になったのだが、6巻を読んで安心した。というか感心した。
復活した妹はとんでもない状態になってしまう上にあらたな敵というかラスボス的な存在も明確となってシリアスな話に向かう一方で、主人公たちの根本的な能天気さ、とくにリーダーの天然性の部分がしっかりと残っていて、ブレることなくいわば第二部へと突入していったのだ。
もちろん第二部といっても目指す目標が異なるだけであって、主人公たちの行動は相変わらずで、まったく成長していない。ロールプレイングゲームが土台となっているのにこの成長のしなささというのはいったいどういうことなんだろうか、と思うのだが、これはこれでいいのである。
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