仕事をしていると妻から電話がかかってきた。
土曜日に持ってきてほしいものの追加だった。
いくつかあったのだが、そのうちの一つがコンビニなどに置かれている無料の住宅情報誌を持ってきてほしいというものだった。
うーん、相変わらず引っ越しをしたがっているようである。しかし、以前は自分は残りの一生を入院したまま過ごすことになると思い込んでいたので、引っ越しを考えるということはその思い込みが和らいだのかもしれない。もっとも、前回のときに主治医との面談の内容を少し話しており、あと一ヶ月ぐらいで退院になるだろうということを言っておいたので、退院後のことも考え始めているのかもしれない。
しかし、今の場所から逃げたいという理由は妄想に依存することでもあるので、引っ越しをしたいという気持ちが残ったまま退院するというのも困った問題でもある。
妄想が完全に消えるということは難しいことなので、入院して薬を飲み続けていれば解決するという問題でもないことも理解している。
今日の電話ではろれつがまわらないと言っていたのだが、電話越しに聞いているぶんにはそれほど違いはわからない。
薬の調整もまだ途中であり、新しい薬が妻に合うのかもまだはっきりとはわかっていない。
仕事帰りにコンビニに寄ってみるのだが求人情報誌はあるけれども、あいにくと住宅情報誌は無かった。書店にも寄ってみるが、そこにも無い。タイミング的にちょうど切れているときなのだろう。住宅情報誌は無かったと言って、妻がまたあらぬ妄想を抱かなければいいのだがと心配してしまう。
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