昨日は掃除をしていると妻から電話がかかってきた。
今回入院した病院では携帯電話の持ち込みは病院の方針として許可されていないので病棟内の公衆電話からかけるしかできない。最初の入院のときには妻の実家が精神科に否定的な考えだったために携帯電話が許可されなかったことを考えるとはるかにましだともいえる。
携帯電話宛ではなく固定電話の方にかけてきたので100円でもかなり長い時間話すことができた。
電話越しの妻の声はろれつが回っていない。おそらく薬の副作用だろうけれども、妻はそういうふうには考えてはおらず、このままだんだんとろれつがまわらなくなり、やがては喋ることができなくなってしまうと考えている。だから喋ることができるうちは会話をしておきたいと思い電話をかけてきたようだった。
いまここで、それは副作用だからと言ったところで妻は曲解して理解してしまう可能性かあるだろうし、どのくらい話続けることができるのかわからない状況でうまく説明しきれるのかわからなかったので、そもまま受け流すことにした。
喋ることができなくなっても会いに来てねという妻に、僕は大丈夫だからとしか言うことができない。
そしてそのまま時間が来て、中途半端な会話が終わる。
月曜日は妻に頼まれた衣類を持って面会に行くと同時に、先月分の入院費を支払う。28日に入院したので先月分としては3日の入院となる。3割負担とはいえ3万円ちょっとの金額だ。この金額だと高額療養費の対象とはならないのでそのままの金額を支払うしかない。医療費は月単位なので、入院するのをあと3日遅らせて10月1日からの入院としておけば入院費の負担も減らせることができたけれども、こればかりは仕方がないし、3日も入院を遅らせるような猶予があったのかといえばあったかもしれないが、心の余裕はなかった。
面会してみると昨日の電話越しよりも口調ははっきりとしていてろれつが回っていないようにはみえない。薬は朝に飲むものなので、ひょっとしたら午後になるとろれつが回らなくなり始めるのかもしれないが、薬の血中濃度は一定になるように処方されているのでひょっとしたら副作用も一時的なもので薬が体に合い始めてきているのかもしれない。
相変わらず妻は、自分は統合失調症でも特殊な例なので目立たないように生きていかなければいけないと思いこんでいる。特殊というのがどういう意味なのかわからないのだが、おそらくは世間の人々が全員、妻のことを統合失調症であることを知っているという妄想があるようだ。この妄想が無くなってくれればいいのだけれども、難しいのだろう。
引っ越しをしたがっているのもこれまたやっかいで、どういう理由で引っ越しをしたいのかがよくわからない。理由を聞いてもなんだか要領を得ない部分もあって、妄想と結びついているような結びついていないような部分もある。いずれにせよ妻が理想とするような引越し先など見つかるはずもないというのが最大の難点なので、引っ越しをしてもしばらくすればまた引っ越しをしたくなるのが予想がつく。妻の父親が引っ越し魔だったことも今の妻の性格に大きな影響を与えたのかもしれない。
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