石川優吾による新解釈、南総里見八犬伝である。
作者のインタビューによるとかなり昔から構想はあったらしく、それがようやく実現可能のなったらしい。
とはいっても人気がなければ構想半ばで打ち切りになってしまう可能性もあって、どのくらいの規模の構想があるのかはわからないけれども八犬士すべてが登場せずに終わってしまう確率もゼロではないというところが世知辛い。
そういった部分を踏まえてなのか、物語のテンポは早く、犬の八房が敵大将の首を取ってくるまでの犬塚信乃が登場しており、つまり八つの玉が登場する前に八犬士の一人がその現場に居合わせて玉梓と対決するのである。
そもそも第一話で丶大(ちゅだい)法師が登場しているくらいである。
思い切った物語の刈り込みでもあるけれども原典を知っているとこの展開は予想外で面白い。
敵である玉梓も怪しげな魔術を操る魔女として描かれていて、怨霊となる以前にすでに強敵である。
一巻では八つの玉が出現したところで終わっていて、この後どうなっていくのかというか、作者によれば、魔王と名乗っていたある歴史上の人物と関係する話につながっていくらしくって、楽しみである。
『BABEL 1』石川優吾

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