『AUTOMATON 1』

表紙の絵からしてアメコミ風のヒーローものかと思いきや、なかなかおもしろい世界を見せてくれそうな漫画だ。
時代は今よりもちょっと未来。格差社会が広がり、なにやら社会問題が山積みな感じのする未来である。
ロボット技術も発達し、社会の中でいろいろなロボットが活躍している一方で、ロボットによって職を失われてしまうのではないかという不満を抱える人も多い。
そんななか、どういう理由によってかはまだ明確にはされないのだが、主人公は秘密裏に開発されたロボットのパイロットとなる。
操縦方法は、というよりも、精神をそのロボットに転送することでロボットの体そのものが自分の肉体として認識して行動する。
制約事項というものも存在するが、今の時点ではそれが問題になるような可能性も乏しく、ほぼ無敵に近い感じだ。
ただ一つ、ほかのヒーローものと異なるのは、哲学的倫理問題がからんでくることだ。
初っ端からして主人公は、五人の元犯罪者と一人の善良な市民とどちらか一方しか助けることができない状況に置かれる。どちらかを助けようとすればもう一方は死ぬ。どちらを助けるか、それとも両方助けないか。
いわゆるトロッコ問題である。
トロッコ問題の場合はどちらも見捨てるという選択肢はないのだが、この漫画ではその選択肢も登場する。
さて自分だったらどうするか、と考えてしまうのだが主人公がここで出した結論には目からウロコが落ちる思いだった。
そんなにうまくいくか、という部分もあるけれども、そういう答えもあるのだなと思った。続きが楽しみな漫画である。

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