今月の気になる本

中公文庫『おばちゃんたちのいるところ』松田青子
創元SF文庫『落下世界(上下)』ウィル・マッキントッシュ
講談社文芸文庫『子午線を求めて』堀江敏幸
光文社文庫『八月は残酷な月 昭和ミステリールネサンス』河野典生
創元SF文庫『おうむの夢と操り人形 年刊日本SF傑作選』大森望・日下三蔵編
角川文庫『失われた過去と未来の犯罪』小林泰三
講談社ブルーバックス『もしも生命が一軒の家だったら』藤崎慎吾
創元推理文庫『戦場のコックたち』深緑野分
河出文庫『NOVA 2019年秋号』大森望編
文春文庫『ヤギより上、猿より下』平山夢明
ハヤカワ文庫SF『危険なヴィジョン〔完全版〕 3』ハーラン・エリスン編
扶桑社ミステリー『ポップ1280(新装版)』ジム・トンプスン
早川書房『なめらかな世界と、その敵』伴名練
『スタッキング可能』が面白かった、amazonの評価は低いけれども、松田青子の『おばちゃんたちのいるところ』が文庫化されます。今回は牡丹灯籠や四谷怪談といった古くから知られた怪談をモチーフにした連作短編です。相変わらず変な小説っぽいので楽しみです。
光文社文庫から刊行されている昭和ミステリールネサンスは今回は河野典生ですね。河野典生は電子書籍でわりと復刊されているのですが、今回はどういった趣向の編集でしょうか。
今回気になるのは藤崎慎吾の『もしも生命が一軒の家だったら』ですね。ウェブサイトで連載された「生命1.0への道」の書籍化ということなんですが、神をも恐れぬ合成生物学の奇才たちの十人十色の生命観から考える「生命とは何か?」ということでこれは面白そうです。
扶桑社ミステリーからはジム・トンプスンの『ポップ1280』が復刊されます。新装版ということなので翻訳そのものは変わりはないようですね。扶桑社ミステリーから出ていたジム・トンプスンは全部復刊してくれると嬉しいですが、むずかしいかな。
さて、一番の注目は早川書房からでる伴名練の『なめらかな世界と、その敵』です。なかなか前評判がいいのでこれは楽しみです。
続いて漫画です。
ジャンプコミックス『チェンソーマン(3)』藤本タツキ
ジャンプコミックス『サマータイムレンダ(7)』田中靖規
アフタヌーンKC『図書館の大魔術師(3)』泉光
少年チャンピオン・コミックス『AIの遺電子RED QUEEN(5)』山田胡瓜
バンチコミックス『Artiste(5)』さもえど太郎
ビーツコミックス『迷廊館のチャナ(1)』冨士宏
アフタヌーンKC『宝石の国(10)』市川春子
イブニングKC『インハンド(2)』朱戸アオ
ワイドKC『ロボ・サピエンス前史(上下)』島田虎之介
モーニングKC『大丈夫。世界は、まだ美しい。』荒井瑞貴
ビッグコミックス『バディドッグ(7)』細野不二彦
YKコミックス『大江戸スモーキングマン』大石まさる
山田胡瓜の『AIの遺電子RED QUEEN(5)』はこの巻で完結です。まだまだ続くと思っていたのですがちょっと意外でした。しかし作者の次の作品が楽しみですね。
冨士宏の『迷廊館のチャナ』は25年前に未完で終わった漫画のリブート版です。冨士宏といえばゲーム『ワルキューレの冒険』のキャラクターデザイナーです。久々の新作ですから楽しみですね。
久々といえば島田虎之介の新作『ロボ・サピエンス前史(上下)』も出ます。前作の『九月十月』が2014年ですから約5年ぶり。『ダニー・ボーイ』までは2,3年間隔で新作を発表してくれていたんですけれどもね。
漫画で一番気になるのは荒井瑞貴の『大丈夫。世界は、まだ美しい。』です。エッセイ漫画でWEBでも読むことができるのですが、しかもかなり90ページと長い。冒頭の10ページほど読んだところでこれは!と感じました。なのであとはコミックになってから読もうと思います。
大石まさるの新作『大江戸スモーキングマン』はタイトルから想像できるように江戸を舞台とした和風SFです。

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