手塚治虫に関するエピソードを漫画化したものはたくさんあってそれぞれ視点が異なるので同じエピソードが描かれていても面白いのだが、それでもさすがに目新しさはなくなってきた気もする。
しかしこの漫画は手塚治虫のアシスタントの視点で手塚治虫自身のエピソードよりもアシスタントたちのエピソードを中心に描いているので、なるほど、こういう視点がまだ残っていたのかと感心してしまった。
食卓という言葉がついているだけあって漫画に関するエピソードだけではなくアシスタント時代の食事に関するエピソードが盛りだくさんというのも面白い。手塚プロダクションでは食べるということに関しては保証されていただけあって夕食、夜食、朝食その他もろもろ食べることに関する話題はつきない。そしてそれが主人公たちの青春と重なっているからなお一層食べるということの楽しさが伝わってくる。
もちろん手塚治虫自身のエピソードもおろそかにはされておらず、アシスタントの生活という部分が中心になっているせいか、彼らと比較する形となって手塚治虫の超人的な仕事量がより一層迫力をましてくる。
仕事量だけみても神様だと言われる理由がよくわかるのだ。
連載はまだ続いているようなので二巻がでるといいな。
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