『幻の未発売ゲームを追え!』天野譲二

昔、ゲームが好きだった。
ここでいうゲームはテレビゲームだけではなく、それ以外の室内で行うゲームも含んでいて、ボードゲームもその一つだ。
しかしとりあえずここではテレビゲームの話に絞っておこう。
好きだったと書いたが、今でも好きなである。しかし今はゲームをする時間を取ることが殆どできないので家庭用ゲーム機は持っていない。
僕がゲームで遊んでいた時期はファミコンとスーパーファミコンの末期までのころでそれ以降のプレイステーションの時代になるとゲームをしなくなってきた。
ゲーム機を買わなくなったのである。代りにパソコンになったというのもある。
パソコンになってパソコンゲームをするようになったが、やはり手軽さという点では家庭用ゲーム機のほうが手軽で、段々とゲームで遊ぶことも少なくなってきた。
話がずれてきたので元に戻そう。
家庭用ゲーム機で遊んでいた時期はゲーム雑誌も買っていて、というのもゲームに関する情報を得ようとするのであれば、インターネットなどなかった時代なので雑誌を買うしかなかったのだ。
で、新作の情報などは雑誌から得ていたわけだが、殆どの雑誌の場合、紙面の最後の方に新作カレンダーのようなものが載っていて、どのゲームが何時発売されるのか判るようになっていたのだが、そのページの最後の方には決まって、発売未定の場所があり、まだ発売時期も決まっていないゲームのタイトルが並んでいた。
そのうちの幾つかは、発売日が決まり、その場所から移動していくのだが、いつまでたってもその場所に居続けるタイトルやいつの間にか消えてしまうタイトルもあった。
この本はそういった消えていったゲームの、何故消えていったのかについて取材した本で、かつてゲームが好きだった人間にとっては消えていった謎を解明してくるかもしてない本でありもはや買うしかない。
が、読んでみると、取り上げられているゲームの大半はプレイステーション以降のゲームで殆ど知らない、いや発売されていないのだから知らなくて当然なのだが、読んでいて場違いな場所に来てしまったという寂しさも感じてしまった。
もう少し古いゲーム機のゲームタイトルにも触れられていたらもっと楽しめたかもしれないが、それはいろいろな事情があってのことなので、無い物ねだりしてもしかたがない。
寂しさを感じただけであって、つまらなかったわけではない。
何故、開発が中止になったのかという、様々な大人の事情の世界が垣間見られて、分野は違えどもソフトウェア開発に携わっている身としては興味深い話ばかりであった。

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