来月の気になる本

東京創元社『雲』エリック・マコーマック
東京創元社『Genesis 創元日本SFアンソロジー2』水見稜ほか
創元推理文庫『銀の仮面』ヒュー・ウォルポール
創元SF文庫『マーダーボット・ダイアリー(上下)』マーサ・ウェルズ
小学館『漫画家本vol.14 高橋留美子本』
講談社『ミッドナイツ《狂騒の八〇年代》作品集成』山口雅也
ちくま文庫『紙の罠』都筑道夫
ハヤカワ文庫JA『妖都』津原泰水
ハヤカワ文庫SF『故郷から10000光年』 ジェイムズ・ティプトリー・Jr
ガガガ文庫『デスペラード ブルース』江波光則
双葉文庫『破滅の王』上田早夕里
双葉文庫『分かれ道ノストラダムス』深緑野分
講談社文庫『悪徳の輪舞曲』中山七里
文春文庫『このあたりの人たち』川上弘美
筑摩書房『短篇集ダブル サイドA』パク・ミンギュ
筑摩書房『短篇集ダブル サイドB』パク・ミンギュ
竹書房『茶匠と探偵』アリエット・ド・ボダール
東京創元社からは驚きの二冊です。
一冊目はエリック・マコーマックの『雲』。
『隠し部屋を査察して』とか『パラダイス・モーテル』とか胡散臭い人物が語り始めるだまし絵のような話を書く作家です。翻訳が止まってしまったのでもう翻訳されることなどないのだろうなと思っていたら翻訳されますね。
もう一冊は『Genesis 創元日本SFアンソロジー2』。
アンソロジーなんですが、水見稜ほか、となっています。水見稜が作家として再始動したのでしょうか。
国書刊行会から出ていたヒュー・ウォルポールの『銀の仮面』が文庫化されます。表題作は江戸川乱歩が奇妙な味の傑作と絶賛した話です。
小学館が出している漫画家本は今度は高橋留美子本ですね。高橋留美子だったらとっくに特集本が出ていてもおかしくはない気もしますが、僕が知らないだけで過去にあったのかな。
講談社からは山口雅也『ミッドナイツ《狂騒の八〇年代》作品集成』が出ます。
ミステリ、SF、冒険小説、音楽小説、青春小説、ホラー、実話推理、ファンタジー、実験小説、ジャズエッセイ、戯曲など42編を単行本に初収録とありますからこれも楽しみですね。
ちくま文庫からは都筑道夫の『紙の罠』が復刊されます。近藤庸三と土方利夫のコンビのシリーズですね。『悪意銀行』のほうは以前に光文社文庫で復刊したのですがこちらは復刊せずにそのままでした。
復刊といえばジェイムズ・ティプトリー・Jrの『故郷から10000光年』も丸善とhonto限定ですが復刊復刊しますね。値段がちょっとお高いですが、まあこればかりは仕方ないですね。
筑摩書房からはパク・ミンギュの短編集が出ます。『サイドA』と『サイドB』とちょっとおもしろい構成ですね。
精力的にSFを出版してくれている竹書房からは今度は文庫ではなく単行本ですがアリエット・ド・ボダール の『茶匠と探偵』が出ます。〈シュヤ宇宙〉シリーズ短篇集ということでこれも楽しみです。いやすごいな。
続いて漫画です。
ヤンマガKCスペシャル『私の少年(7)』高野ひと深
アフタヌーンKC『空挺ドラゴンズ(7)』桑原太矩
講談社コミックス『アルスラーン戦記(12)』荒川弘/田中芳樹
シリウスKC『人形の国(5)』弐瓶勉
バンチコミックス『プリニウス(9)』ヤマザキマリ/とり・みき
ビッグコミックス『プラネットガール(1)』大石日々
アクションコミックス『黒トカゲ』森下裕美
KC KISS『アレンとドラン(3)』麻生みこと
ゼノンコミックス『モブ子の恋(6)』田村茜
リイドカフェコミックス『本田鹿の子の本棚』佐藤将
モーニング KC『とんがり帽子のアトリエ(6)』白浜鴎
モーニング KC『別式(5)』TAGRO
モーニング KC『テセウスの船(9)』東元俊哉
アフタヌーンKC『ディザインズ(5)』五十嵐大介
アフタヌーンKC『ヴィンランド・サガ(23)』幸村誠
ビッグコミックス『HERO ~4分間のマリーゴールドbefore~』キリエ
ビッグコミックス『バトルグラウンドワーカーズ(2)』竹良実
ビッグコミックス『サターンリターン(2)』鳥飼茜
ビッグコミックス『バイオレンスアクション(5)』浅井蓮次/沢田新
扶桑社『シライサン ~オカルト女子高生の青い春~』 原案/乙一 漫画/崇山祟
荒川弘の『銀の匙 Silver Spoon』は休載中ですが『アルスラーン戦記』は順調に連載が続いています。しかし最終的に何巻までいくんでしょうか。
大石日々の『プラネットガール(1)』は「宇宙からやってきた少女と不器用な青年が出会ってはじまる、日常系SFアドベンチャー」ということです。SFとしての設定の部分がどこまで物語にかかわってくるのかわかりませんが来月の本のなかでは気になる一冊です。
森下裕美の『黒トカゲ』は森下裕美らしからぬタイトルだなと思っていたらなんと、江戸川乱歩『黒蜥蜴』をコミカルに愛らしく翻案したものだそうです。水と油というかいやなにが原作であっても森下裕美の世界に引きずり込んでしまうのでしょうけれど、気になりますね。
東元俊哉の『テセウスの船(9)』はそろそろ物語として決着が付きそうな感じです。
五十嵐大介の『ディザインズ(5)』は、あれ、たしか今月出るはずじゃなかったかな、ああ来月に伸びたのかと思ったら今月4巻が出て、来月は5巻で完結ということでした。
ドラマ化されたおかげでしょうかキリエの『HERO ~4分間のマリーゴールドbefore~』が出ます。本編の前日譚みたいですが、まあ後日譚は描いてもしかたないのでそれしかないでしょうけれども。
『バイオレンスアクション(5)』がでますね。『レイリ』が完結したことでこちらのほうも再始動したようです。
最後に飛び込んできたのが『シライサン ~オカルト女子高生の青い春~』です。乙一が脚本監督して来年公開される『シライサン』のアナザーストーリーを『恐怖の口が目女』の崇山祟がコミカライズするというものです。

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