今でもコンスタントに翻訳されているアーロン・エルキンズの<スケルトン探偵>シリーズの一冊。
MWA長編賞を受賞したこともあってか、代表作である。
が、あいにくと僕は一冊も読んでこなかった。
フランスを舞台とし、殺人事件もモン・サン・ミシェルの干潟が舞台となっていて、表紙にもモン・サン・ミシェルの写真が使われ、僕自身もモン・サン・ミシェルが好きだったけれども、読むきっかけがなかった。
多分、スケルトン探偵という部分に興味がいかなかったせいなのかもしれない。
骨から事件の手がかりを得るというとアメリカのドラマ、『BONES』を思い出すけれどもあれよりこちらのほうが先である。
読む前は、重厚な物語というイメージでいたけれども、読み始めて思いのほか軽妙で軽いのに驚いた。もちろん悪い意味ではない。
探偵であるギデオン教授とワトソン役のFBI捜査官ジョンとの掛け合いや、ギデオン教授と奥さんの甘々な会話、死人がでているけれども、殺されても構わないような嫌な人間のせいもあってか、怖さがほとんどない。悪く言えば2時間サスペンス物という感じでもあるが、あくまで雰囲気の話だ。
謎解きに関してはしっかりとしていて、終盤の犯人の指摘は少し唐突ぎみな感じもするけれども満足感はある。
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