北海道に住む女子高生、有紗はひそかに学校の先生に恋をしていた。
しかし周りから天然と言われる彼女は恋する先生を傷つけ、そして失恋する。
とそこまでならばよくある恋愛物語になるのだが、そこから物語は一気に予想もしない方向へと突き進んでいく。
天然と言われる彼女は良く言えば天然で悪く言えば他人との距離をうまく保つ事ができない。彼女は母子家庭でそして母親との仲もよくない。そして母親と口論となった結果、彼女は家出をするのだが、後先考えない彼女の行動は痛々しくやることなすこことすべてが空回りし続けていく。
一巻の終わりでは凍死寸前のところで水商売の女性に救われるのだが、最初のころに感じた学園モノの雰囲気などすでに無い。
水商売の女性との共同生活も一見するとお互いの距離感を探るように少しずつその距離を狭めているかのように見えるのだが、自虐的でそれでいて表面上は明るく取り作ろうとする主人公の行動は正直いえば読んでいてイラつかせる。
それはある意味僕自身を主人公に投影させている部分もあるのかもしれないが、読んでいて心地よい物語だけが良い物語ではない。
主人公がこの先、どうやってこの世界と自分自身との折り合いをつけていくのかあるいはそんな方向へなど進まず、さらに予想外の方向へと進んでいくのか、読んでいてざらつかせる物語をこの先も読み進めてみたい。
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