『AUTOMATON』が連載中の倉薗紀彦の別の新作が単行本化された。
夏休みを利用して友人の別荘でキャンプを楽しむ8人の学生たち。しかしその場所は昔、大量殺人事件のあった場所だった。別荘に到着した主人公は散歩にでかけたところで謎の老婆から、死にたくなかったならばこの場所から早々に立ち去れという忠告を受ける。そしてその夜、仲間の一人が生きたまま解体され植木鉢に詰め込まれて殺されるという事件が起こる。
作者の弁によればB級ホラーテイスト感満載の物語で、一回の連載が8ページと少ないこともあって矢継ぎ早に物語が進んでいく。物語としての溜めなどまったくなしの潔さであり、登場人物たちもこいつだったら殺されても構わないよなあと思わせる人物ばかりだ。もちろん主人公は除いてだが。
正体不明の化け物、しかも一匹だけではないという状況で、こんなこともあろうかとと、別荘の地下室に大量の武器を用意していた人物が何が起こったのかを語り始めるのだがまだ全貌は見えない。さらに犠牲者は最初の8人だけでは物足りないとばかりに途中参加する人物も次々と加わるが、次々と物語から退場していく。
潔いばかりのB級ホラーの物語なんだけれども、作者のあとがきを読んで驚いた。うーん、そんなテーマをもとにして描いたのかこの話。ホラーだと思ったらSFだった。
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