7巻目にてようやく主人公たちの乗る捕龍船クィン・ザザ号の乗務員の一覧が巻頭に掲載された。
なるほど総勢19人がこの船に乗っていたのか……と思ったのだが、1巻を見直してみたら第一話の表紙に19人が勢揃いしていた。最初から19人のキャラクターを作ったうえで物語は始まっていたのだ。ついでにもう少し1巻を読み進めていたら、操舵室に16人が集まっているコマがあった。総勢19人だから3人足りないのだが、残りの3人は常に機関室でエンジンの面倒を見ているので操舵室にいなくて当たり前だ。あらためてじっくりと見直してみるといろいろとしっかり描かれているなあと感心する。
乗務員一覧が掲載されたというわけではないが、この巻に収められた話はそれまで焦点の当たっていなかった乗務員のエピソードが多い。
それぞれの乗務員たちの過去が描かれたり、日常が描かれたり、とこれまでは特定の人物が主体となっていたのに対して、それはあくまでたまたまであり、他の乗務員にもそれぞれの物語があり、彼らが主役となるエピソードがこの先も描かれて当然なのだという気持ちにさせられる。
相変わらずクィン・ザザ号の会計は火の車で自転車操業の繰り返しのままで、読んでいてヒヤヒヤさせられるのだが、クィン・ザザ号の乗務員たちは一部を除いてはそんなことお構いなしで自分の好き勝手にやっている。
そんな彼らの日常の物語は読んでいて楽しい。
後半は龍を捕まえるのではなく退治する屠龍船の面々が登場する。彼らは龍を効率よく殺すことだけを目的としている。そんなわけだからクィン・ザザ号とは結果は同じでも手段が異なる。
大きな話がまた始まる。
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