作者のインタビューでは今回の作品はライブ感覚、いわば先のことなど考えずにその場の勢いで描いているということを知って驚いたのだが、そのつもりで二巻を読んでみると確かにそう言われればそうなのかもしれないと思わせる部分もある。
しかし、その一方で、最初から最後までの道筋をきっちりと構想したうえで描いていると言われたら、そうだよなあと思ってしまうので、読む方としては面白ければどちらでも構わないということになってしまうよなあ。
まがなりにも自分で小説を書くなどということをしてみると、自分の場合は最初から最後までの道筋をきっちりと決めたうえでなければ書けない、一度だけその場の思いつきで書いてみたことがあったけれども、自分のやり方としては最後までの展開を決めてからのほうが性に合っているので、そうじゃない書き方ができる人というのはただただすごいなあと感心してしまう。
それはさておき、二巻に入って、登場人物たちが勝手に動き出したという感じがしてきた。これは悪い意味ではなく、物語や世界に奥行きができたという意味だ。
それでいて物語が壊れるようなことをする人物がいるわけでもなく、むしろ勝手に動くことで予想もつかない展開になっていくわけで、最近の漫画にありがちなあざとさというのが無くって気持ちよく読むことができる。
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