『失われた地平線』ジェイムズ・ヒルトン

有名な作品なんだけれども恥ずかしながら今まで未読だった。
冒険小説の部類に入るのかもしれないが、ユートピア小説でもあるし、うん、僕がこの本のことを知ったときは冒険小説という感じではなかったせいもある。
とはいってもこの小説があったことでシャングリ・ラという言葉が広まったわけで、読むべき小説の一つでもあったが、読まずにそのまま一生を終えてもいいかなという気持ちもあった。
けれどもこうして復刊してしまったので、だったら読んでみようか、それに260ページ程度だしということで読んでみた。
たしかに面白い。冒険小説としてもその導入部、そして実際のシャングリ・ラへの道のり、シャングリ・ラでの奇妙な生活とシャングリ・ラの住人たちの曰く有りげな行動、そしてシャングリ・ラの真実が明らかになる部分やエピローグ。これぞ冒険小説というかエンターテインメントの物語としては申し分ないくらいの要素が詰まっている。
しかし、しかし、さすがに50歳も過ぎてくるとこのくらいでは物足りないという部分がある。それはもうないものねだりで、もっと若いうちに読んでおけばよかったという気持ちもある。

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