『独居老人スタイル』都築響一

子供のいない僕たち夫婦はどちらかが先に死ねば残ったほうは間違いなく独居老人になる。
僕のほうが先に死んだ場合、おそらく妻にとってはいま以上に辛い人生になるだろうことを思うとおいそれと先には死ぬわけにはいかないなという思いでいっぱいで、そうなると僕のほうが独居老人になる。
まあそれはそれでしかたのないことであるのだが、結婚する前までは一人っきりでいることはそれほど辛いことではなかったが結婚してそばに妻がいるという状態になれてしまうと、一人っきりになってしまうというのがとても寂しくなる。それは一昨年、妻が再発して入院してしまったときにおもいっきり味わされた。とはいえど、日中は仕事をしているので一人っきりではなかったし、病院にも面会にも行ったしで、完全に一人っきりになる時間というのは限られていたのだが、それでも辛かった。
しかし、それは精神的にということで日常生活はそれほど苦労することもなく家事は適度にこなしていたので少なくとも体が動くうちであれば独居老人でも苦労することはないんだろうなあと思う。
とはいえど備えあれば患いなしで、先人たちの生き方というのも参考にしておいたほうがいい、ということで読み始めたのだが、うーん、あまりにも独特というか特殊な人生を送ってきた人たちばかりなのであまり参考にはならないなあ。しかし、こんなふうに達観することができれば独居老人もわるくはない。ということでこの境地をめざしたいものであります。

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