僕が自分の死を意識し始めたのはいつのころだろうか。
小学生の頃はノストラダムスの大予言を信じていたので、自分は30代半ばで死ぬんだろうなあと思っていたが、小学生にとっての30代というのは気の遠くなるような未来だったのでそんなに深刻にはならなかった。20代、30代は仕事が忙しかったせいもあってか死というのは考えなかった。タバコを吸っていたので肺がんで死ぬんだろうなとは思っていたけれどもあいにくと今のところ肺がんにはなっていない。40代になってようやく死を意識し始めた気もするが、50代の今もそれほど変わってはいない。もちろんそのときになってみなければわからないが、自分のやりたいことをしてきたので、まあいつ死んでも苦しまなければそれでいいかなと思っている。
この物語の主人公は40代の独身女性。映画宣伝会社で精力的に働いて、とくに心配事もなかったのだが、ある日突然、身体の不調を覚える。
そこから将来のことを考え始めるようになるのだが、女性が主人公とはいえども、40代を通り越して50代になってしまった男でも、ああそうだよなあと共感することばかりだ。
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