『ケムリが目にしみる 1』飯田ヨネ

タイトルと表紙で面白そうだなと思って買ってみた。
主人公は20代後半のとある企業の総務部で働く女性。
仕事にたいする不満はそれほどなく、彼氏はいないけれども一人暮らしの生活はそれなりに楽しい。
そんな彼女の密かな憩いはタバコ。
朝、目が覚めるとまず一服、紫煙をくゆらせる。
タバコを吸うにあたって空気清浄機のスィッチを入れたり、会社に出かける前に匂いを気にしたり、会社では決してタバコを吸わず、社内の人間にもタバコを吸うことは秘密にしている。
僕も結婚する前まではタバコを吸っていたので、そして僕がタバコを吸っていた時代はまだおおらかな時代でいまほど嫌煙は盛んではなく、職場でも自分の席に灰皿があり、その場で吸いたいときに吸いながら仕事をしていた時代なので、主人公の後ろめたさというのはなんとなく理解できる。
今もタバコを吸っていたら後ろめたさを感じていたのかもしれない。
と書いてみたもののこの漫画はそんなタバコを吸うことの後ろめたさを描いた漫画ではない。
そんなタバコを吸うことの後ろめたさは同時に彼女自身の自信のなさにもつながって、そして彼女のささやかな秘密は同僚にバレてしまう。もちろんタバコを吸うということが同僚にバレてしまってもそれでどうなるというものでもなく、むしろその同僚が主人公とは正反対の性格と行動であることから少しずつ二人の関係が歯車が組み合わさるように噛み合わさっていく。

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