『来世は他人がいい』小西 明日翔

『春の呪い』でデビューした小西明日翔の二作目。
今回も前作と同様、男女の恋愛の話なんだけれども、これがまったく違う方向の話で驚いた。
主人公たちは、東京と大阪、それぞれ住む場所は離れているけれどもお互いに極道の孫という設定。当人の知らないところで婚約の約束が取り次がれ、大阪に住んでいた女子高生吉乃は東京の婚約者霧島の元へと行くことになる。
吉乃は極道一家の孫だけあって気は強いけれどもそれ以外はごく普通の女子高生なのだが、婚約者の霧島は高校生とはいえども一筋縄ではいかない人物だった。
人間としてクズすぎるというか、見た目とは裏腹にド変態でそれでいて笑いながら暴力を振るうサイコパスっぽさもある。腹黒さがないのが唯一の救いかもしれないし、だからこそ嫌悪感を抱かさせずに済んでいるのだろうけれども、そんな霧島にふりまわされて困惑する吉乃のほうも次第に彼に臆することなく対等に振る舞い始まる。そのきっかけとなった彼女の行動のはじけっぷりというか肝っ玉の座り具合がスカッとさせることもあって続きが気になる漫画だ。

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