『違国日記 5』ヤマシタ トモコ

両親を事故で亡くしてしまった中学生の姪をその場の勢いで引き取ることにしてしまった主人公。
彼女は小説家でそれ故にというかもともと人見知りだった性格もあって他人との距離をうまく取ることができない。そんな彼女が姉の子供である姪を引き取って、共同生活をすることになるのだが、もともと先のことなど考えずに行動してしまったために翌日から二人の生活は困難を極める。
しかしお互いにルールを決めてそれなりにうまく共同生活をしてきたのだが、それでもそれは勢いにまかせてという部分があり、両親を亡くした姪は姪で親がいなくなったということを受け止められずにいる。
というわけで五巻に入ったけれども、登場人物たちの感情は、振り子のように行ったり来たりする。
そう、この物語は順調に進んでいく物語ではなく、行ったり来たりしながら、どこへ向かっていくのかもさだかではなく、波の上を漂う船のように二人の生活を描いていく。
しかしここにきてようやく姪は自分の親が亡くなってしまったことをはっきりと理解する。

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