幼馴染の男の子と女の子、ヒナとレンには二人だけの秘密があった。それはお互いの心と体を入れ替えることのできる魔法を使うことができることだった。
二人がまだ幼かった頃はお互いを助けるために二人は心と身体を入れ替えるということをしていたが、それはヒナが苦手な体育を体育が特異なレンに入れ替わってもらって活躍するとかそういったレベルの事柄だった。しかし成長し中学、高校となるにつれて入れ替わりの魔法は封印してしまう。そして二人も粗通となる。
そんなあるとき、二人は再び入れ替わりの魔法を使うこととなる。というのが一巻のあらましなのだが、単純な男女の入れ替わりの物語にならないのは、ヒナはレンのことが好きだが、レンはヒナのことは単なる幼馴染としか思っていない。それだけならば一方通行の恋愛ですむけれどももう一つ、レンの恋愛対象は異性ではなく同性だったことが物語を複雑にしていく。
二人が再び入れ替わりの魔法を使ったのは、レンが思い焦がれる相手がヒナのことが好きで、そのことを利用して自分の欲望を満足させるためだった。
一巻はヒナの視点が中心だったが、二巻ではレンの視点で話が進んでいく。レンの幼い頃のエピソードが語られそして自分が同性愛者であることに苦しみ悩み、そしてレンと入れ替わることで自分の好きな相手と一緒になるという欲望を満たし、そしてそのことに苦しむ。
どうしようもないほど絶望的な道のりをまっしぐらに突き進んでいくこの物語に救いはあるのだろうか。
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