『空電の姫君 1』冬目 景

掲載誌が休刊となってしまったためにどうなるのかと危ぶまれた『空電ノイズの姫君』だけれども、別の雑誌に移行してタイトルを少し変えて連載続行となった。一応は『空電ノイズの姫君』は三巻で完結して『空電の姫君』は続編ということなのだが、タイトルとしては『空電ノイズの姫君』のほうが良かったなあ。
まあタイトルはさておき問題は中身のほうで、こちらはそのまま地続きである。
主人公の初ライブは緊張のあまり失敗して落ち込む主人公だけれども、なにしろ冬目景の物語なので熱血という方向には向かわない。あくまでゆったりと進む時間の流れの中で読んでいて心地よい世界が描かれる。
もうひとりの主人公である支倉夜祈子の物語も並列に進んでいくけれども、歌が抜群にうまい支倉夜祈子が主人公たちのバンドに参加する、というのが普通の漫画のセオリーだと思うが、冬目景の世界ではそんなにあっさりとは向かわない。というか主人公たちも支倉夜祈子を積極的に引き込もうとはしない。
一体この先どうなるのかは作者のみぞ知るわけなんだけれども、このどっちつかずの雰囲気がずっと続いてほしいという気持ちがある。

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