今回から巻頭に捕龍船「クィン・ザザ」号のメンバーの紹介ページが追加された。もっともここまで読んできたら誰がどんな役割なのかはだいたい把握しているので必要ないといえばないけれどもあるとなんだかうれしい。
前巻から始まった新しいエピソードの続きでこれまでは龍を採るのは補龍船の面々だけだったが、新たに龍を殺すことだけを目的とした組織が登場する。屠龍船である。
彼らは龍を食料として見るのではないので龍に対する敬意ももちえない。そんなわけだから「クィン・ザザ」号の面々とは水と油の関係でどうあがいても仲良くなることもない。そんな二組が一匹の龍を採るあるいは殺すという目的でもって行動することになるので、いままでとはうってかわって血なまぐさい、殺伐とした展開になっていく。
一方で「クィン・ザザ」号の面々のいままで焦点のあたっていなかった人物に焦点があたるようになって、これが狙ったかのように今回の物語のなかでうまくはまっていく。少しずつ世界が明らかになっていくこの瞬間は読んでいてワクワクさせる。
コメント