話の合間に作者の解説めいたものが挟み込まれるのだが、驚いたのはこの漫画の1巻が出たのが9年前だということだ。もちろん作者も驚いていたのだが。
9年かけて5巻という冊数が多いのか少ないのかといえば少ない部類になるのだろうけれども一貫した物語があるわけではないのでこのくらいのペースの刊行がちょうどいいのかもしれない。
あいかわらず物語はおもしろいのだけれども、この巻に入って少しそれ以前と登場人物の行動というか言動が変わってきた気がする。もちろん前巻を読みなおして比較したわけではないので不確かな部分もあるのだが、そもそも主人公が少し脇に移動して神林さんのほうが中心となってきている感じがする。主人公は相変わらず適当でいかにして本を読まずに読んだことにするということに労力を費やしているけれどもこの巻ではわりと本を読んでいるのだ。
さらにはさりげなく、ハッとするような言動をしたりして、作者の意図的なものなのかどうかはわからないけれども、主人公たちの成長の度合いが見られる感じがする。そしてその成長の先に何があるのかといえば今の僕自身だったりするのかもしれない。
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