作者の弁によると『ヴィンランド・サガ』は全部で四部に別れた物語になっているという。
そして今回、この巻にて第三部が完結した。残るは最終章とでもいうべき第四部だ。
第二部が完結したのは10巻で、その最後のエピソードは100話と切のいい話数で終わった。もちろん意図してそのようにしたというわけでもないのだろうが、主人公トルフィンが故郷に戻ってきたところで第二部は完結。みごとなまでも行きて帰りし物語だった。
そして今回もトルフィンが故郷に帰ってきたところで物語は終わる。第三部の物語そのものは前巻で一区切りついているのでこの巻で描かれるのはいわばエピローグに近いものがあるけれども、今回は二人の帰還の物語が描かれる。ひとりは主人公トルフィン、もうひとりは第三部の準主人公というべき存在になったシグルドだ。第三部は彼の成長の物語でもある。
一方で主人公トルフィンはというと間に二年の歳月が流れ、彼にも家族ができる。
そしていよいよ最後の物語である。
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