『5分間SF』の売れ行きがよかったらしく、草上仁の新たな短編集が出ることになった。今回のタイトルは『7分間SF』だ。
うーん、正直いえばこのタイトルはどうなんだという気持ちもあるんだけれども、というのはじゃあこの次の短編集のタイトルはどうするんだということなんだけれども、まあ次が出るという保証もないので考えてもしかたないか。竹書房から別の短編集が出る予定だし。
巻末の初出一覧をみると今回も書かれた年代が多岐に渡っていてさらには描き下ろしも一作あるというお得さかげんだ。
で、肝心の中身はといえばこれはもう万全の安定さで面白さは水準を軽く越えている。ただ、それだけに突出したものがないという部分もあって、つまり年間ベストに選ばれるだろうけれどもベスト1には絶対なることはないということだけれど、まあそこは仕方がないか。
一作一作手が込んでいて、特にテクノロジー的な部分において、なるほどよくそこまで考えたなあと感心する部分もあるのだけれども、読み終えて初出の年代を見て、その時代によくそこまで考えたものだと2回驚くことも多々あって、次の本は『9分間SF』でもいいから出してほしいな。
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