かつて角川つばさ文庫で管啓次郎による翻訳で『星の王子さま』が出たときに、挿絵が西原理恵子で、これは卑怯な組み合わせだなあと、良い意味でなんだけど、そう思ったし思わず買ってしまった。それくらい西原理恵子による星の王子さまは魅力的でこれを超える星の王子さまは無理なんじゃないかと思っていたら、違った。
まったく気がつかなかったけれども漫☆画太郎が『星の王子さま』をコミカライズしていたのだ。といっても漫☆画太郎が原作どおりにコミカライズするわけもなく大胆にアレンジしているけれども。
いやはや西原理恵子と漫☆画太郎とどちらの星の王子さまが良いのかというと、まあ西原理恵子のほうがいいのだが、しかし大胆にアレンジした漫☆画太郎の星の王子さまはこれは別の意味ですばらしい。
飛行機のエンジントラブルで砂漠に不時着した飛行士がそこで星の王子さまに出会い、羊の絵を描いてほしいと頼まれるあたりは原作と同じ展開なのだが、それ以前に絵としてすでに漫☆画太郎の世界なのでこれのどこが星の王子さまなのだと、いや全く別物でしかないという認識しかできない。原作通りの展開をしている部分がどこなのかに関しては注意して探さないとわからない。のだが、この原作に忠実な部分が曲者だ。
いちばんたいせつなことは地上波では見みれないんだよ。
要所要所で現代社会を皮肉っていて、上記のセリフは24時間テレビを皮肉っている。
とりあえず全6巻で無事に完結したようなのでゆっくりと残りの話を楽しむことにしよう。
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