『今度会ったら××しようか １』飯田 ヨネ

『ケムリが目にしみる』の飯田ヨネの新作は予想外の話だった。
タイトルにある「××」でこれはいわゆる伏せ字なんだろうということでそっちの方面の話か、今度はとおもったんだけれども、予想は少しだけ当たったけどだいぶ外れた。
主人公は女子高生。クラスメートとも打ち解けることができず、かといっていじめられているわけでもないけれども、過去にはそういった経験があって、それでも地味ながら日々をおくっているのは美術の先生に恋をしているからだ。
しかしある日、彼女は勇気を振り絞って告白をする。そして結果は玉砕。その玉砕の理由が予想外の理由で、今度はそっちかと。
そんな感じで次々と予想外の展開が少しだけ続くけれども、最大の予想外は、先生が事故で死んでしまうことだろう。そしてこともあろうか成仏できなかった先生は浮遊霊として彼女の前に現れる。
その後の展開は男女の入れ替わりの変種ともいえるし、先日完結した『ヒナちゃんチェンジ』にも通じるのだが、『ヒナちゃんチェンジ』よりも明るく（恋した人は死んでいるんだけど）コミカルで読んでいてそれほど深刻にならないのは救いだ。