『下のほうの兄さん』安永 航一郎

安永航一郎のものすごく久しぶりの新刊が出た。
『青空にとおく酒浸り』が2012年で突然の休載で終わってしまってそれっきりだったので、もう新作も無理なんだろうと思っていた。
まあ作風が作風なので好きな人にはドンピシャだけど駄目な人は全く受け付けないから仕方ないかもしれない。
僕はドンピシャのほうだったのだけど。
で今回はどうなのかというと、ブランクを感じさせないほどの中身で、いやそれ以上か。
安永航一郎といえば下ネタを中心とした下品なギャグでそれをカラッとした絵柄で描くからさっぱりしている。そもそも下のほうの兄さんがなんなのか。表紙には二人の女子高生が仲良くしている場面が描かれている。ここに下のほうの兄さんがどのように関わってくるのか、そもそも下とはなんなのだろう。ぱっと思いつくのは二人、あるいはそれ以上の人数のお兄さんがいて、上ではなく下のほうのお兄さんが物語に絡んでするのだろうけれども、安永航一郎はそんな浅はかな想像など軽く吹き飛ばして想像以上の下ネタを突っ込んできた。
堪能しました。