神鯨

神鯨 (ハヤカワ文庫 SF 312)

  •  T.J.バス
  • 販売元/出版社 早川書房
  • 発売日 1978-10

Amazon/bk1

今まで積読のままでした。
もっとも、SFが好きといっているくせに、そんな作品も読んでいなかったのかと糾弾されてもおかしくない作品が未読のままだったりするので、『神鯨』あたりが未読のままだったとしてもまあ仕方ないかという気もする。
gy=c
という「オルガの公式」が登場する作品で、私の年代だとこの「オルガの公式」ってのはわりと有名だったりするのだけれども、今じゃあどうなんだろう。本そのものも絶版だし、たぶんそれほど有名ではなくなってしまっているんじゃないかな。
で、実際に読んでみると、これがどうして、実に読みにくい。訳が悪いという以前に、カットバックの嵐で、しかも異様な世界設定。物語が何処へ向かっているのかもよくわからないまま異様な世界が次々と登場し、そういう意味ではワイドスクリーン・バロックそのものだ。
日夏響の翻訳も今だとちょっと訳しそうもない雰囲気で訳されていて、なかなか趣があっていいのだけれども、ワイドスクリーン・バロックを楽しむのは若くないと駄目なのかも知れないなあと、自分の歳を感じさせてくれた本だった。
もっと若いうちに読んでおけばよかったよ。

コメント

  1. UHI より:

    訳者が著者になっとる。

  2. Takeman より:

    あ、本当だ。
    気がつきませんでした、ご指摘ありがとうございます。
    修正しておきました。

タイトルとURLをコピーしました