邪馬台洞の研究

著　田中啓文
販売元／出版社　講談社
発売日　2009-03-13

三部作の二作目なのだけれども、前作と比べると駄洒落のくだらなさにますます研きがかかって、三作目が不安になるくらいで、駄洒落が許せない人には言語道断な話なのだけれども、では、駄洒落を許せる人だったら果たして許せるのかというと微妙なところかもしれない。
しかし、思いも寄らない細かなところ、というかそんなところにまで駄洒落を潜り込ませているのかというような重箱の隅的な部分の駄洒落に気が付くと、全てを何となく許してしまって、さらに作者の駄洒落にかける想いというか執念みたいなものさえ感じさせられて、このシリーズも後一冊で終わってしまうことを残念に思ったりもしそうになりかける。
しかし、別にこのシリーズが終わっても、作者の他の作品を読めば駄洒落は嫌というほど味わうことができるのだ。
で、それはともかくとして、ワンパターンの定石を守りながら、シリーズ物としての伏線をはり、さらにはときどきでワンパターンを外すあたりはもう手慣れたものだ。