残酷号事件

残酷号事件 the cruel tale of ZANKOKU-GO (講談社ノベルス)

  •  上遠野 浩平
  • 販売元/出版社 講談社
  • 発売日 2009-03-06

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『禁涙境事件』からだいぶ時間が経ってしまったけれども、『禁涙境事件』だって『海賊島事件』から三年後だったからまあ順調に伸びているといえばいいか。ってことは次作は五年後か。
もっとも『禁涙境事件』で登場した怪人、「残酷号」の顛末の物語なので四年という期間はちょっと長すぎるのも確かだ。まあ物語的にはほとんど繋がっていないので『禁涙境事件』の内容を覚えていなくっても全然大丈夫でもあるけれどねえ。
そして延びた分、密度が濃くなっていれば別に文句もないのだけれども、今回はミステリ度が希薄でほとんど無い。ただひたすら「残酷号」について描かれるだけでこりゃ単なるファンタジーだよなあと思うのだけれども、だからといって不満に思うのかというとそうでもないところが面白いところで、ミステリ分がなくっても面白いのだ。
そういう点においては上遠野浩平って物語のテンションの挙げ方がうまいよなあ。
しかし、この後も「残酷号」はどこかで登場しそうだし、それを考えるとこの先どんどんミステリ度が下がっていきそうな気もするが大丈夫なのかな。イラストが金子一馬から変わってしまったのも残念だ。カラーはいいけれども、モノクロのイラストがちょっと変すぎるぞ。

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