- 著 イアン・ワトスン&マイクル・ビショップ
- 販売元/出版社 東京創元社
- 発売日 1988-10
『デクストロ I 遭遇』の続編。……というのは嘘だ。
邦題はなかなか紛らわしいのだけれども、「II」と付いていても何かの続編ではない。
ファースト・コンタクト物ではあるけれども、そこはイアン・ワトスンである、マイクル・ビショップとの共作でありながら、『エンベディング』でみせたファースト・コンタクトと同様、やっぱり変な話になっている。
二つの恒星を8の字を描くようにして公転する惑星に棲息する異星人とのコンタクトなのだが、恒星の一つがノヴァ化し種族の滅亡という設定ののわりにはそんな設定などどうでもよく、哲学的というか宗教的な問題に終始するのだ。まあそこがワトスンらしいといえばらしいのだけれども、逆にビショップらしさが何処に出ているのかというとよくわからない。
まあワトスンの暴走をビショップがくい止めているといったところかもしれない。って書くとどうでもいい話のようにも聞こえるが、うーん、確かにワトスンの他の作品を読んでいれば別にあらためて読まなくってもいい話でもある。
とはいうものの、終盤での異星人の思考というか考え方というかそのあたりの部分は目眩がしそうなくらいにクラクラして読んだら読んだなりにグッとくるものはあるよなあ。
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