- 著 大西 科学
- 販売元/出版社 ソフトバンククリエイティブ
- 発売日 2009-01-15
戦争中だというのに相変わらず緊張感のない、ゆるゆるとした平和な物語だ。そのあたりの部分で微妙な違和感を感じ続けているのだが、わざとそういう風に描いているのかそれとも、そのようにしか描けないのだろうか。
世界の仕組みは作ることが出来ても世界を描くのは苦手なのか、なんともいえないのだけれども、ヒロインの復讐の物語という縦糸なのかそれとも横糸なのか、まあどちらでも良いのだけれども、それがこの作風の中でどのように描かれるのかという点では心配にもなるのだが、しかし、<ジョン平とぼくと>シリーズだって復讐の物語でもあったのだから、そのあたりは何とかなってしまうのかもしれない。
戦闘シーンでは相変わらず理詰めの展開がされ、ボード・ウォー・シミュレーションゲームをやっているかのようでもある。こちらの攻撃力と相手の防御力、そして地形修正やZOCといった要素を計算し、サイコロを振って出た目と戦闘結果表を照らし合わせてダメージを計算する。運の要素もあるけれども、結果は予測の範囲内である。
もう少し世界の様相が見えてくると面白くなるのだが、次の巻ではどうなるのだろうか。
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