- 著 小鷹 信光
- 販売元/出版社 論創社
- 発売日 2008-11
凝り性の人に足枷を無くして思う存分好き勝手にやらせるとこうなるという良い見本だ。
この本の成り立ちに関しては前書きに詳しく書かれているけれども、オビ裏の惹句のほうが短く的確で、そして面白い。
元々300ページ程度だった本がなぜ倍以上の厚さに膨れあがるのか、もう少し押さえた方が良かったんじゃないかと言いたくもなる。
30年以上前に書かれた原文には手を加えず、注釈で補うという方法からしてどこか怪しい。原文における言葉の言い間違いさえも注釈で訂正しているのだ。
とにかく資料的な面においては申し分ないのだが、逆に読み辛い部分が出てきてしまうのは仕方ないところ。分量的な面に置いてもそうだが、架空のアンソロジーという体裁もあって内容的な面でも、一気に読もうとするともたれてしまう。
あまりに肥大化してしまっているせいでアンソロジーとしてはまとまりがつかなくなってしまっているのもつらいところだ。
とはいえ、一日一章づつ読み進めるといったペースでいくと長い時間楽しめるし、フレドリック・ブラウンの未読の短編を読むことが出来たのは実に良かった。
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