- 著 ナンシー・クレス
- 販売元/出版社 早川書房
- 発売日 2008-11-07
ナンシー・クレスの初翻訳長編ということで期待したのだけれども、なんだか、うーん。
三部作の一作目ということで大目に見るべきなのかもしれないけど、全然話が始まらない。
話そのものは二つの流れからなるけれども、一つの方は謎の物体をスペーストンネルまで引っ張っていくだけ、もう一方はというと共有現実という不思議な設定の「世界人」の世界での出来事であって、これがおもしろいんだかおもしろくないんだかよくわからない。
はっきりいってしまえば、謎の物体の方にしか興味が持てなかったので、もう一方の物語はどうでも良かったのだが、どちらかといえば興味の持てなかった方が主体だったのでよけいに苦痛だった。
そもそも、謎の物体の曳航に関してもうまくいくのかいかないのかは確率的にしか答えることができないなどと登場人物が言い腐っている始末で、要するにやって見なけりゃ結果はわからんということなんだけど、それを延々と引っ張っているのだ。
しかしそれでも終盤になるととんでもない事態が起こって次の巻への期待値が高まるようなことをしやがるので、次の巻も読まざるをえないのだ。
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