- 訳 マイク・レズニック
- 著
- 販売元/出版社 新潮社
- 発売日 2000
短編に関してはたまに翻訳されるけれども、一冊のまとまった本としては『キリンヤガ』以降途絶えてしまったマイク・レズニック。
日本での初めての紹介は早川書房からではなく新潮社からだったというあたりが、時として、あえてSFにする必要があるのかと思わせるような物語を書くレズニックらしいところかも知れない。
というわけで本邦初紹介となったのが『ソウルイーターを追え』。
水見稜の作品に『マインドイーター』という似たような題名の作品があるけれども、中身は全然違う。
題名こそ「ソウルイーター」となっているけれども、本文の中では「夢望獣(ドリームウィッシュビースト)」となっているところが何だかなあと思うのだが、まあいろいろ事情があったのだろう。
典型的なスペース・オペラでありながら文庫にして240ページ程度と恐ろしく短い。さすがに物語の密度もそれなりなので物語的な深みなど無いのだが、そこはレズニック、語り口はスタイリッシュで物語がかっこいいのである。
今更あえて読む必要もないといえばそうなんだけれども、短くって、そしてかっこいい話ってのもたまには読みたくなるわけで、そういうときにはレズニックがちょうどいいんだよなあ。
コメント