- 訳 ハリー・ベイツ
- 著
- 販売元/出版社 角川グループパブリッシング
- 発売日 2008-11-22
「地球の静止する日」といえばハリイ・ベイツの短編で、これを原作とした映画の公開も間近。短編一作で一冊の本が出るわけでもないし、まさか今時ハリイ・ベイツ短編集なんてものは出るはずもないわけで、これはノベライゼーションだろうなあと思いこんでいた。
しかし、映画の題名は『地球が静止する日』であって、本の題名は『地球の静止する日』だ。誤植でないかぎりノベライゼーションであるはずはなかった。
で、蓋を開けてみれば創元SF文庫の『SF映画原作傑作選』と同様のコンセプトの元に作られたアンソロジーだった。しかもリメイクされたものという縛りも追加されている。
解説ではこの本の企画の成り立ちとその経緯も書かれていて、ああ、なるほど、さまざまな事情でつぶれてしまう企画も多いのだなと思わせられてしまった。
で、肝心の中身のほうはといえば、ジェリイ・ソールの短編が二編収録されていたりするのがなんともいえずマニアックなところなんだけど、ブラウンの「闘技場」は定番中の定番でさておいて、シマックの一編はなかなか面白い話だったし、エリスンの短編はミステリマガジンに掲載されていたけれども未読だったのでちょうど良かったりとそれなりにお得だったのだが、「廃虚」がなんといっても一番の掘り出し物。
映画『トワイライト・ゾーン』で言及されていたアレが読めたのは良かったよなあ。
コメント
ちょうど今日読み始めました。
表紙がイラストになっている(創元SF文庫版)ですが..。
チョイスされた作品も違うようです(^_^)
ブラッドベリが良かったんですが、新しいものにはないみたいですねー。
創元SF文庫版では「主人への告別」となっているのに、角川文庫版では「地球の静止する日」となっているところがなかなか興味深い点です。
>ブラッドベリが良かったんですが、新しいものにはないみたいですねー。
ああ、この本に収録されたブラッドベリのやつは……その後で読んだ『火星航路SOS』でだいぶ印象が変わってしまいました。