- 著 打海 文三
- 販売元/出版社 角川グループパブリッシング
- 発売日 2008-10-31
八割がたは出来ているという噂だったのだが、だからといってそれがどのくらいの完成度なのかといえば作者のみ知るところであって、未完成のものを読むというのはある意味作者にとっては冒涜に値するのかも知れないという気持ちもあった。
なので出版されるという話が出てきたときに、読むのは止めようと思ったのだが、実際に出版されて実物を目の前にしてしまうと、そんな気持ちも何処かへと消え去ってしまった。
海人の章は六章、パンプキン・ガールズの章は三章の途中まで、なので海人の物語は終わっている。
果たして内乱終結まで行くことが出来るのだろうか、それともそんな物はあくまで時代背景であって内乱は終結しないままなのか、そんな思いも吹き飛ばす可のように、豪快に、そして豪腕でもって話は進んでいく。
応化という時代の大きな流れは描かれ、そしてある程度は満足する形で終結しているのだが、しかし、本当の面白さは海人の章ではなくパンプキン・ガールズの章なのだ。
描かれなかった残りの章で内海文三が描いてくれるはずだったものこそが本当に読みたい部分だったわけで、あらためて失った物の大きさに気付かされたのだ。
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