ジェシカが駆け抜けた七年間について

ジェシカが駆け抜けた七年間について (角川文庫 う 14-5)

  •  歌野 晶午
  • 販売元/出版社 角川グループパブリッシング
  • 発売日 2008-10-25

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あまり歌野晶午の良い読者ではなく、時々思い出したかのように拾い読みしている程度なので、こういう話を読むと、非常に申し訳ない気持ちでいっぱいになってしまう。
『長い家の殺人』を読んで、まあトリックに関してはそれなりに面白かったけれども、小説としてはそれほど面白かった印象もなく、次に読んだのは『死体を買う男』で、こちらは『長い家の殺人』と比べて遙かに良くなってはいたけれども、その後は「裏本格」とかいう方向へと行ってしまって興味が薄れてしまった。
その次が『葉桜の季節に君を想うということ』なんだけれども、ここに来てようやく、もっと真面目に追いかけておくべく作家だったのだよなあと思い知らされたわけなんだけれども、それでもどこか好みに合わない部分があるのだ。
ということで、この本も面白かったし、解説で書かれている「本格のガジェットを何処まで削り取ることが出来るのか」という点に関しては、もう頭の下がる思いでいっぱいになってしまう。
しかし、なあ、だからといって自分の好みのタイプの小説かというとそうではないわけで、後味は良いし、題名も良いけれども、次の作品も無条件で読んでみようという気にはなれないのである。

コメント

  1. 歌野晶午『ジェシカが駆け抜けた七年間について』

    今回は歌野晶午『ジェシカが駆け抜けた七年間について』です。
    『ジェシカが駆け抜けた七年間について』は2004年発表の作品。2008年に角川書店で文庫化されました。
    文庫本のカバーから抜粋
    「米国ニューメキシコ州にある長距離専門の陸上競技クラブNMAC。日本人が….

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