- 著 舞城 王太郎
- 販売元/出版社 新潮社
- 発売日 2008-07
- 著 舞城 王太郎
- 販売元/出版社 新潮社
- 発売日 2008-07
ああ、なんだかんだいって舞城王太郎は最初からこんな話を書きたかったのじゃないだろうかと思ってしまった。
デビュー作である『煙か土か食い物』と比べるとやはりだんだんと変化してきているというか清涼院流水に近づいている感じで、やはり『煙か土か食い物』を書く前は流水大説のような小説を、清涼院流水がデビューする以前から講談社に送りつけていたというのもなるほどと思ってしまう。そうなると『煙か土か食い物』を書いたのは単にデビューしたいためだけの妥協の産物だったんじゃないかとさえ思えてしまうのだが、それが本当だったとしたらそれはそれで凄いことだよなあ。
まあそれはともかく、探偵が謎を解き明かしたとたんに世界が変わり、正解は不正解となってしまう恐ろしい世界、というか舞城ワールドは相変わらず凄まじい。バークリーも裸足で逃げ出すほどの多重解決といい、空間も時間もねじ曲げてしまう密室殺人、登場したとたんに解決されてしまう謎、そして極めつけはやはり舞城王太郎の世界観だよなあ。
まさか舞城王太郎が独自の時空間理論を作り出して時間物SFを書くとは思わなかった。
もっとも舞城王太郎なのでストレートなSFではなく、SFとかミステリといったジャンルさえ吹っ飛ばしてしまうものだったんだけれども。
コメント
舞城 王太郎さんの作品はまだ読んだことがありません。
これを機に読んでみようとおもいます。特にSFものには目がないですから。
舞城王太郎を初めて読むのであれば、『煙か土か食い物』から読むのをお薦めします。
いきなり『ディスコ探偵水曜日』から始めるのはきついと思います。