ノースウエスト・スミス

大宇宙の魔女 ノースウェスト・スミス (ハヤカワ文庫 SF 36)

  •  C・L・ムーア
  • 販売元/出版社 早川書房
  • 発売日 1971-09

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他人様はどうしていようがそれはさておき、基本的に新刊で入手出来る本は新刊で買うことにしている。
論創社がダーク・ファンタジー・コレクションの刊行を発表したときに一番楽しみにしていたのが『C・L・ムーア短編集』だった。
ラインナップの最後に書かれていたので、その刊行はかなり後にあるのだろうことは予想できたので、それはもうひたすら待ち続けていたのである。
しかしディックの『人間嫌い』が、ちくま文庫から出ていたものからさらに紙面の関係で二編割愛されたものだったり、翻訳に難があるという意見があったり、解説に腑に落ちないものがあったりと、右肩下がりに期待感が下がり、そして反比例する形で不安感の方は高まっていった。
しかしそれでも、とにかく出てくれさえすればいい。「シャンブロウ」はもちろん収録されるだろうけれども、「ヴィンテージ・シーズン」とかいろいろと単行本化されていない作品群があるだろうから大丈夫だ。そう思っていたのだ。
でも現実はきびしく、正式なタイトルが発表された時、そんな想いもはかなく消えた。
<ノースウエスト・スミス>シリーズ全十三編なのだ。
まあ、全ての話を読んだわけではないので、これはこれでありかなとも思ったのだけれども、早川文庫版の三冊は絶版とはいえ入手困難な物ではないし、何しろ松本零士の挿絵がある。『大宇宙の魔女』では解説で、野田昌宏が悔しがっている、そうあの有名なセリフが載っているのだ。二巻目の『異次元の女王』では仁賀克雄がそれに対しての返答を返している。
どう考えても早川版全三巻の方がお得なのだ。
というわけでさんざん悩んだ末に私は早川版の方を古書で買ってしまったのである。

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