- 訳 ジョン・ブラックバーン
- 著
- 販売元/出版社 東京創元社
- 発売日 1973-07
『刈りたての干草の香り』が面白かったの、評価の高い『小人たちがこわいので』を読んでみることにした。
ジャンルミックスのモダンホラーという割にはかなり地味な展開なので驚いた。
『刈りたての干草の香り』の時にはマイケル・スレイドと比較してしまったが、この本を読むと、マイケル・スレイドというよりはディーン・R・クーンツの方が近いか。そもそもマイケル・スレイドは夢オチなどという反則技を平気で使ったり、オカルトやSF的なものを持ち込んだりしながらも事の真相というか、犯人はごく普通の人間であり普通じゃないおかしな考えの持ち主なだけなのだ。それに比べるとブラックバーンは普通じゃないものを持ち出してきているところが凄い。
中盤までは事件らしい事件がなど起こらず、なにか得体の知れない出来事が水面下で行われているという不穏な状態が続くので、そのあたりはあまり好みではなかったのだが終盤になって、それまでためにためていた鬱憤をはらすがごときの展開は、ああなるほど評価が高いだけあるよなあと思った。
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